後山うしろやま)” の例文
そういえば古中こなかから千坂せんさかを上って後山うしろやまに下る路の右側に、見事な赤松の老木が十二、三本立ちならんでいるのは、その名残であるかも知れない。
尾瀬の昔と今 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
下総国しもうさのくに香取郡万歳の後山うしろやまへ、村の者ども五人連れ立って木こりに行きけるに、少しかたえなる山の端に、常のよりは汚気きたなげに見ゆるとび一つ羽を休めいたり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
立退たちのく道は宇都宮の明神様の後山うしろやまを越え、慈光寺じこうじの門前から付いて曲り、八幡山わたやまを抜けてなだれに下りると日光街道、それより鹿沼道かぬまみちへ一里半けば、十ろうみねという所
伊勢の国から東下あずまくだりをする時代から、この種の笠をかぶりつけてもいるし、尾上おべ後山うしろやまの復活の記念としての跛足びっこは、今以てなおってはいないのだから、それは一目見れば誰でも
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)