征清せいしん)” の例文
われらが次をうてその運命をたどり来たれる敵も、味方も、かの消魂も、この怨恨えんこんも、しばし征清せいしん戦争の大渦に巻き込まれつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
さてその頃は、征清せいしん出師すいしありし頃、折はあたかも予備後備に対する召集令の発表されし折なりし。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もと異様なる節を附し両手をりて躍りながら、数年来金沢市内三百余町に飴を売りつつ往来して、十万の人一般に、よくその面をみしられたるが、征清せいしんのことありしより、渠は活計たつきの趣向を変えつ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)