“往徠”の読み方と例文
読み方割合
ゆきき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたりは汽車の切符を買はうとする人達の行列やら、立退く罹災者の往徠ゆききやらでざわついてゐるだけ、却て二人は人目を憚るにも及ばなかつたらしい。
にぎり飯 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あたりは汽車の切符を買おうとする人達の行列やら、立退く罹災者の往徠ゆききやらでざわついているだけ、かえって二人は人目を憚るにも及ばなかったらしい。
にぎり飯 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
服部時計店の店硝子みせがらすうしろに、その欄干てすりに倚りかゝつて、往徠ゆききの人を見てゐる男や女は幾人もあるが、それは友達か何かを待ち合してゐるものらしく、明月の次第に高く昇るのを見てゐるのではない。
町中の月 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)