形似けいじ)” の例文
強い感じのものならば光琳の方がうまいであらう。弱い感じのものならば抱一の方が旨いであらう。それから形似けいじの上においては草木の真を写して居る事は抱一の方が精密なやうである。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
西洋の絵の長所は形似けいじだ、形を似せることに於ては、われわれはきざはししても及ばないかも知れない、この遠近、この人体、空気の色、日の光の陰影をまで、かくも精巧に現わすのは
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
けれども形似けいじは絵の巧拙にかかわらぬという論でもってその驚きを打ち消してしもうた。その後不折君と共に『小日本』に居るようになって毎日位顔を合すので、顔を合すと例の画論を始めて居た。
(新字新仮名) / 正岡子規(著)