弱年としわか)” の例文
もとは山路の苔のつゆ、さてもわけなしのお弱年としわかさまとにらむ目もとに何見えざらん、問はねどしるき與之助が心の宙宇に迷ふ有さまゝで夫れと呑みこめば
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひし人弱年としわかにてしかも身もちのくずれかゝりしものなればなりき。
與之助の女々しく未練なるは弱年としわかのならひ、見る目の花に迷ひて行末の慮なければなるを、これと同心ひとつに成りて我れさへに心よはくば、辛き浮世になりのぼる瀬なくして
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)