建連たてつらな)” の例文
松がに隔てられ、大屋根の陰になり、建連たてつらなる二階家に遮られて、男坂の上からも見えず、矢場が取払われて後、鉄欄干から瞰下みおろしても、直ぐ目の下であるのに、一棟の屋根も見えない
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
縁でながめても、二階から伸上っても、それに……地方の事だから、板葺いたぶき屋根へ上ってみまわしても、実は建連たてつらなったにぎやか町家まちやに隔てられて、その方角には、橋はもとよりの事、川のながれも見えないし
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)