廓外かくがい)” の例文
惜しいかな近代の設備を加え、常設の小屋を規則正しく配置したため、朝鮮のおもかげが乏しくなった。しかし廓外かくがいに野天の広場があって、そこでは雑然と昔ながらの風で物を売る。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
火達磨ひだるまのようになって、今や内部の重要な書類を廓外かくがいへ持ち出しているという。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私の家から廓外かくがいへ出るには、検査場裏の裏門が近かったが、そこは昼間は締まっているので、私達は幼稚園へ通うのに、京町一丁目の番屋を抜けておはぐろどぶに架かった刎橋はねばしを渡って竜泉寺町へ出た。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)