度外どはづ)” の例文
其処そこからりるのだとおもはれる、まつほそくツて度外どはづれにせいたかいひよろ/\したおよそ五六けんうへまでは小枝こえだ一ツもないのがある。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三四郎に度外どはづれの女を面白がる積は少しもないのだが、突然御茶をげますと云はれた時には、一種の愉快を感ぜぬ訳に行かなかつたのである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
マリヤンには五歳いつつになる女の兒がある。夫は、今は無い。H氏の話によると、マリヤンが追出したのださうである。それも、彼が度外どはづれた嫉妬家やきもちやであるとの理由で。
度外どはづれに大きな體格をしてゐる力士を空想してゐると、彼等は肉體の力ばかりで確實に生きてゐるやうに見えて、馬越自身などは靈魂ばかりでふは/\と生きてゐるやうに思はれた。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)