底泥土そこどろ)” の例文
沼尻の川なので、浅そうにとおっては見えるけれど、底泥土そこどろがやわらかで、仮橋から墜ちた子供などが、何人もそこでは死んでいた。
下頭橋由来 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もがけばもがくほど、彼の脚は、河の底泥土そこどろへ食い込んで、胸——肩の辺まで、黒い河水にズブズブとひたってしまうばかりだった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)