常居じょうい)” の例文
八二 これは田尻丸吉という人が自らいたることなり。少年の頃ある夜常居じょういより立ちて便所に行かんとして茶の間に入りしに、座敷ざしきとの境に人立てり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
常居じょういに帰りて人々に話し、行灯あんどんを持ち行きて見たれば、すでに何ものもあらざりき。この人は近代的の人にて怜悧れいりなる人なり。また虚言をなす人にもあらず。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
何の書物をも見ず、頼みにきたる人と世間話をなし、その中にふと立ちて常居じょういなかをあちこちとあるき出すと思うほどに、その人の顔は少しも見ずして心に浮びたることをいうなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)