布被ぬのぶすま)” の例文
そうして、奥深い一室の布被ぬのぶすまを引きあけると、そこには、白い羽毛の蒲団ふとんおおわれた卑弥呼が、卑狗の大兄の腕の中で眠っていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そうして、剣を引くと、「卑弥呼、卑弥呼。」と呼びながら、部屋の中を馳け廻り、布被ぬのぶすまを引き開けた。玉簾を跳ね上げた。庭園へ飛び下りて、はぎ葉叢はむらたおしつつ広場の方へ馳けて来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)