市廛してん)” の例文
山の手の寺院にあるもの、幸にして舞馬ぶばわざわいまぬかれしといへども、移行く世の気運は永く市廛してん繁華の間に金石の文字を存ぜしむべきや否や。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
内藤岡ノ二士及ビ泥江春濤円桓同ジク舟ニ入ル。きょうともそなわル。潮ハまさニ落チテ舟ノ行クコトはなはすみやカニ橋ヲ過グルコト七タビ始メテ市廛してんヲ離ル。日すでくらシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)