巌乗造がんじょうづくり)” の例文
変な好みの、萌葱もえぎがかった、釜底形かまぞこがたの帽子をすッぽり、耳へかぶさって眉の隠るるまでめずらした、脊のずんとある巌乗造がんじょうづくり
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ずんぐりの高い、銅色あかがねいろ巌乗造がんじょうづくりな、年配四十五、六、古い単衣ひとえすそをぐいと端折はしょって、赤脛からずね脚絆きゃはん、素足に草鞋わらじ、かっとまばゆいほど日が照るのに、笠はかぶらず、その菅笠すげがさの紐に、桐油合羽とうゆがっぱたたんで
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)