崖路がけみち)” の例文
真夏の太陽の光りを受けて真赤まっかえた赤土の断崖を仰ぎ、突然に現れた激流を見下して、そうして、馬車が高い崖路がけみちの高低でかたかたときしみ出す音を聞いてもまだ続いた。
(新字新仮名) / 横光利一(著)
宿の二階から見あげると、妙義道みょうぎみちにつづく南の高い崖路がけみちは薄黒い若葉にうずめられている。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この女をになってこの崖路がけみちを登ることはおろか、立って見つめているうちに、眼がクラクラとして、足がフラフラとして、どうにも持ち切れなくなったから、がんりきはお絹の傍へ打倒れるようにして