山岫さんしゅう)” の例文
しんとして、谷のかけひの趣あり。雲山岫さんしゅうくごとく、白気くだんの欄干を籠めて、薄くむらむらと靉靆たなびくのは、そこから下りる地の底なる蒸風呂の、煉瓦れんがを漏れいづる湯気である。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)