展望てんぼう)” の例文
かくてこれ展望てんぼうをほしいまゝにしたわが郵船ゆうせんはナポリこう到着とうちやくし、ヴェスヴィオを十分じゆうぶん見學けんがく機會きかいとらへられるのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「はい。中隊長は展望てんぼうのため、木の上に登っていられたのであります。——その中隊長が木の上から、つかまえろと私に命令されました。」
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いまは、一日のゆうよすべきばあいでない、富士男は毎日、丘にのぼって、四方を展望てんぼうした。ある日かれは、森のかなたに、ほのめく一じょうのうす青い影を発見した。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
東方の地平線上を展望てんぼうするに、そこはいぜん無辺むへんの海波びょうびょうとして天をひたしている、一ぼう目をさえぎるなにものもない、ぼくは胸底深くひめていた計画をはじめて発表した。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)