少頃しばらく)” の例文
「其はまた何といふわけでござらうの。」とすまして、例の糸をる、五体は悉皆しっかい、車の仕かけで、人形の動くやう、媼は少頃しばらくも手を休めず。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼はほとんどこの女の宮ならざるをも忘れて、その七年の憂憤を、今夜の今にして始て少頃しばらく破除はじよするのいとまを得つ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)