小間癪こましゃく)” の例文
小間癪こましゃくれて先の知れぬ所へゆくいやだと吼顔ほえづらかいてにげでも仕そうな様子だから、買手の所へ行く間一寸ちょっと縛っておいたのだ、珠運しゅうんとかいう二才野郎がどういう続きで何の故障こしょう
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
兄弟じゅうではやや常識に富んだ穏かな彼れは、けっして烈しい口は利かないが、小間癪こましゃくれた妹の言語態度が女学生めいているのが気にさわって、からかうか冷やかすかしなければ虫が収まらなかった。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)