小童しょうどう)” の例文
らんのまわりにかげばかり見せて、ただワアワアとさわいでいる若侍わかざむらいたちを睥睨へいげいしながら、源氏閣げんじかくから桜雲台おううんだい本殿ほんでんへもどってくると、そこへあまたの武士ぶしに追いつめられてきた乱髪らんぱつ小童しょうどうがあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
案内の小童しょうどうは極く無造作に大小高下の墳塋ふんえいをば説明してれた。
仏法僧鳥 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
小文治もやりにすがりながら、蛾次郎という小童しょうどうについてよく考えてみると、すえおそろしいといっていいか、末たのもしくないといおうか、まったく判断はんだんに苦しむような性格的畸形児せいかくてききけいじであると思った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)