旧字:尋常一樣
しかし今夜のような凄い恐しい女の顔にはかつて出逢ったためしがない、ただ見れば尋常一様じんじょういちようの貴婦人で、別に何の不思議もないが、さてその顔に一種の凄味を帯びていて
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「なるほどなるほど。分ってきたぞ。するとあの隕石だが、あれは尋常一様じんじょういちようの隕石じゃないんだネ」
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
... 受けると言った所は尋常一様じんじょういちようの言葉でありませんね」妻君
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
まして𤢖やお杉や重太郎等の関係に至っては、尋常一様じんじょういちようの理屈を以て推断することはできまい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「それは、実におそるべき相手だ。そういうひどいことをする霊魂は、尋常一様じんじょういちようのものではないよ。たいへんな力を持っている奴だ。これはかんたんには行かないぞ。いったい何者だろう」
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは、尋常一様じんじょういちようのことではあるまい。それだけは、容易に予想できる。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)