“寄手(よせで)” の例文
どこも白沙青松(はくさせいしょう)だ。そして渚(なぎさ)は長い。寄手(よせで)は好む所へいつでも敵前上陸を敢行(かんこう)できる。だからあせる要はない。岸をさぐりさぐり、敵を揶揄(やゆ)し、翻弄(ほんろう)し抜いている。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにたいして寄手(よせで)はもちろん矢戦には応じえない。かぶとを伏せ、よろいの袖をたてとして、這いかがむ。数歩、駈けのぼっては、また、草むらや山肌にへばりつく。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)