“寂土”の読み方と例文
読み方割合
じゃくど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
行宮あんぐうはすぐ火を放たれ、蔵王堂以下の坊舎から山門すべても炎となった。それは何の抵抗もなく燃えるがままに燃える不気味な寂土じゃくどの狂炎だった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せっかく、築きあげてきた浄土門の寂土じゃくどは、あいつらのために、踏みあらされてしまうに決まっている……。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この寂土じゃくどから現実の社会を思って、種々さまざまな自分を中心として渦まくものの声やすがたを、眼に見、耳に聞き、生きながら業火ごうかの中にあるような幾月の日も送っていたに違いない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)