実物ほんもの)” の例文
旧字:實物
二十八宿しゅくの名をことごとくそらんじていながら実物ほんものを見分けることのできぬ俺と比べて、なんという相異だろう! 目に一丁字いっていじのないこのさるの前にいるときほど
画と実物ほんものの貝殼などとのパノラマ的効果が現れ、小っぽけな窓から海底を覗いて居るような幻覚が起らない限でもないのだ——大人にパノラマが珍重された時代が我々の一九二六年迄かえって来る。
長崎の一瞥 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
マサカその実物ほんものに、お眼にかかろうたあ思いませんでしたよ。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)