実平さねひら)” の例文
そこへ土肥どひの次郎実平さねひらが二千余騎で義仲の行手に待ち構えた。少勢とはいえ歴戦の強者の木曽勢は、ここも蹴破って進んでいった。
土着の地侍というに過ぎない者もいるが、このうちの北条宗時はいうまでもなく、土肥次郎実平さねひらといい、天野遠景といい、仁田四郎忠常といい、みなこの地方では家系の旧い家がらの子弟だった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生捕いけどりになった本三位中将重衡は、六条を東へと引廻された。車の前後のすだれをかかげ、左右の小窓も開かれていた。三十騎ばかりが車の前後を取り囲み、土肥どひの次郎実平さねひらが守護した。
ぎょっとするような大声だった。ぜひなく、宗時も盛長も実平さねひらも立った。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、土肥実平さねひら以下、眼を見あわせて、しばしは、疑いにとらわれていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)