宙吊ちゅうづ)” の例文
裏切者の机博士が、猫女ねこおんなのはる綱にひっかかって、あわれ断崖だんがいのうえから、いのちの宙吊ちゅうづりをやらされたことは、諸君も知っていられるとおりである。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
蘭子はとっさにそれと悟って、宙吊ちゅうづりになった四角な板の上に倒れたまま、ひょいと顔を上げて薄暗がりの奈落の中を透かして見ると、あんじょう、そこにうごめく三人の人影があった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
という怪声をたてると、かの怪虫はついに樹からブランと宙吊ちゅうづりとなり、そして次の一撃で幹を離れると、黒い巨体がパッと下の草叢の中に落ちていった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そういったかと思うと、スコール艇長はいきなり事務長のえりがみをつかんでかるがると宙吊ちゅうづりにした。そしてとなりの浴室の戸をあけて、中へつれこんだ。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
米連艦隊の主力艦オレンジ号が、いきなり宙吊ちゅうづりになったり、それから、艦体の半分が見えなくなったりしたのも、四次元振動を使って、人間を、あっとおどろかすのが目的だったのだ。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「痛い、痛い」牛丸少年は宙吊ちゅうづりになった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
宙吊ちゅうづり戦艦——有りえない奇蹟
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)