婆様ばばさま)” の例文
旧字:婆樣
あの本位田家の婆様ばばさまにせよ、やがて、良人おっととする人の母と思えばこそ、忍んで仕えている人である。誰を頼みに、このさき生きてゆこう。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ようやく利欲というものを実習した市人が、いかに注意深くただの在所の婆様ばばさまたちを物色していたかは、想像してみても面白い。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
常は物数の少ない遠慮がちな家刀自いえとじ、もしくはやや気むつかしく物固い婆様ばばさまなどが、一代に何度というはれの席へ出ては、自分もアエをしてさかずきを勧め、所望によっては小歌などの
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
今は——どこへ行ったのか姿はここに見えないが、お杉隠居がなじみの旅籠で、京都に来ればここと決めてあり、ここへ来ればこの畑の中の別棟べつむねがあの婆様ばばさまのお好みであるらしい。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)