“妖変”の読み方と例文
読み方割合
ようへん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
以来、奇異妖変ようへんさながら魔所のように沙汰する天守、まさかとは思うたが、のあたり不思議を見るわ。——心してかかれ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この人物が、四十を過ぎて、まのあたり、艶異えんい妖変ようへんな事実にぶつかった——ちと安価な広告じみますが、お許しを願って、その、直話じきわをここに、記そうと思う。……
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
屋の棟を、うしろ下りに、山の中腹と思う位置に、一朶いちだの黒雲の舞下ったようなのが、年数を知らない椎の古木のこずえである。大昔から、その根に椎の樹婆叉ばばしゃというのが居て、事々に異霊妖変ようへんあらわす。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)