女敵めがたき)” の例文
妻が密通し出奔した場合には、良人おっとは二人を追って討たなければならない。しかも、女敵めがたきは討っても討たなくても恥とされていた。
醜聞 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
これが、「三毛」の子で性質温良なる雄の「ボウヤ」を、女敵めがたきのようにつけねらって迫害し、すでに二度も大けがをさせた。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
(親の敵と範之丞が、今後俺を狙うなら、俺は女敵めがたきとして範之丞を将来狙って討ってやろう!)
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「解ったら、その女敵めがたきを斬る気になれ、貴公の当の敵は、本田北見之守だよ」
貴下あなたの様に気を廻しなすつちや困まる、山木も篠田には年来の怨恨うらみがありますので、到頭たうとう教会からひ出させたと、いもとの話でわしたが、女敵めがたき退散となつた上は、御心配には及びますまい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
……敵呼ばわりしゃらくさいわい! ……おのれ範之丞乱倫卑怯、俺の妾お吉を取りおったな! ……こうなりゃアこっちが女敵めがたき討ち、恨みは五分五分勝負は対等、ひけめはねえ、討たれるものかあーッ
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「親の敵ぢやありません。女敵めがたき討で」