太息たいそく)” の例文
これが文三の近来最も傷心な事、半夜夢覚めてともしびひややかなる時、おもうてこの事に到れば、つね悵然ちょうぜんとして太息たいそくせられる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
燕王こゝにおいて、太息たいそくして曰く、頻年ひんねん兵を用い、何の時かけん、まさに江に臨みて一決し、また返顧せざらんと。時に京師けいしの内臣等、帝のげんなるをうらみて、燕王をいただくに意ある者あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)