天守閣てんしゅかく)” の例文
「ときに、これは蘭丸の献策じゃが、このたびの築城には、その構造の中心を、天守閣てんしゅかくにおこうと思う。——天守閣を築く是非はどうじゃ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、そのまんなかには、天守閣てんしゅかくこそありませんが、全体に厚い白壁造りの、窓の小さい、まるで土蔵をいくつもよせあつめたような、大きな建物が建っています。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その日——安土城下から立って行った秀吉の軍容ぐんようは、実に威風堂々たるものだった。信長はそれを天守閣てんしゅかくからえっして
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屋根のつくりにも、何かしら天守閣てんしゅかくを思い出させるようなところがある、高い土塀も見えて来た。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
で、旧館はことごとくこぼたれた。新しき石垣組の線は高く美しく築かれてゆき、天守閣てんしゅかくが建つ所ののみの音や手斧のひびきは、摩天まてんの丸太足場に、時代の黎明れいめいの来るのを、この国にも告げている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金城きんじょう大坂の大規模な築城企画は、すでにその景観のあらましを竣工しゅんこうし終っていて、夜ともなれば、八層はっそう天守閣てんしゅかく、五重の城楼じょうろう、本丸、二の丸、三の丸にわたる無数の狭間はざま狭間から、あかるい灯が
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「博学な貴公なれば、御存じかも知れぬが、現在、日本中の数ある城廓じょうかくのうちで、天守閣てんしゅかくというものを築いておる城は、幾つありましょうか。また、どことどこの城がそれを備えておりましょうや」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)