大野たいや)” の例文
遼東りょうとう大野たいやを吹きめぐって、黒い日を海に吹き落そうとする野分のわきの中に、松樹山しょうじゅざんの突撃は予定のごとく行われた。時は午後一時である。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
魯の哀公あいこうが西のかた大野たいやかりして麒麟きりんた頃、子路は一時衛から魯に帰っていた。その時小邾しょうちゅの大夫・えきという者が国にそむき魯に来奔した。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
この一片に誘われて満洲の大野たいやおおう大戦争の光景がありありと脳裏のうり描出びょうしゅつせられた。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)