大弼だいひつ)” の例文
十七歳にして従四位に叙せられたのも偶然ではない。十八歳で結婚したが、彼の女房は米沢十五万石、上杉弾正大弼だいひつ綱勝の妹である。
本所松坂町 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
『この中には、お見知りの方もござろう。それがしは、上杉弾正大弼だいひつの家中千坂兵部の股肱ここうの者にて、木村丈八と申すものです』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主上は人や候人や候とおっしゃったけれ共御返事をする者もなかった時にややたってから弾正の大弼だいひつ仲国
頃は何時いつなんめり、天正二十三年十一月、上杉弾正大弼だいひつ輝虎入道謙信に置かせられましては、越後春日城には留守居として長尾越前守景政を残し、りに選ったる精兵一万八千騎を引率なし
相馬の仇討 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
上杉弾正大弼だいひつは、ことしの五月頃からずっと病床に就いて寝たきりであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弾正大弼だいひつは、それ迄抑えていた感情の爆発を、何うする事もできなくなった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)