垂迹すいじゃく)” の例文
妙理大菩薩、十一面観音、阿弥陀如来、聖観音の四仏とに就て本地垂迹すいじゃくを説いたものに過ぎないであろう。
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
富士の権現は信濃の国浅間あさま大神と、一神両座の垂迹すいじゃくと信ぜられていたところから、浅間菩薩せんげんぼさつともいい、富士浅間せんげん菩薩とも呼んだりしたが、本元の浅間あさま山の方は、一の鳥居があるだけで、御神体は
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
「否、否、垂迹すいじゃく和光の月明らかに——」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
しかるに其後僧空海が登山して本地垂迹すいじゃくを説き、大己貴を座王菩薩、少彦名を薬師如来の垂化現出であると唱え、二仏を山上に安置して御岳山座王大権現と称したとのことである。
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ここ本地垂迹すいじゃく説は全く完成し、或は天台或は真言の教義に拠りて詳しく説明された精密なる組織を以て、山王一実神道及び両部習合神道が創設され、古来の山岳信仰と牴触矛盾することなくして
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)