垂菰たれこも)” の例文
白望しろみの山続きに離森はなれもりと云う所あり。その小字こあざに長者屋敷と云うは、全く無人ぶじんの境なり。ここきて炭を焼く者ありき。或夜あるよその小屋の垂菰たれこもをかかげて、内をうかがう者を見たり。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)