国原くにはら)” の例文
旧字:國原
が、こっちは元よりそんな事には、気がつく筈がありません。ただ、一生懸命に黒犬を急がせながら、美しい大和やまと国原くにはらを足の下に見下して、ずんずん空を飛んで行きました。
犬と笛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
暮山ぼざん屏風びょうぶに包まれた大和の国原くにはらには、夕けぶり立つ紫の村、黄ばんだ田、明るい川の流れ、神武陵、法隆寺、千年二千年の昔ありしもの、今生けるものゝすべてが、夜の安息に入る前に
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)