四十路よそじ)” の例文
むっちりと肥えた四十路よそじがらみのひとだった。幼子を抱いて、色褪いろあせた衣服もよけい着くずしているかたちだが、どこかには上流婦人らしい大容おおような風もある。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう四十路よそじにちかいはずの准后じゅんごうではあるが、蠱惑こわくともいえるえんな美はどこにもせていなかった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれどその草心尼の清楚せいそな美しさも、年とすれば、もう四十路よそじにとどいていたはずである。かつてのような濡れ濡れしい若後家の尼とはおのずから落ちつきも違っていた。
西行の記憶によれば、お年も、四十路よそじをこえておられる。