商人家あきんどや)” の例文
……それがみんな四条の吉岡道場の門人だといって、あの近所の酒屋でも商人家あきんどやでも、今になにが起るのかと、戸をおろしてふるえているんで。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と初阪は橋の北詰に、ひしひしと並んだ商人家あきんどやの、軒の看板に隠れた城のやぐらの、今は雲ばかりを、フト仰いだ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云うと往来の者はどやどやあとへ逃げる、商人家あきんどやではどか/\ッと奥に居たものが店の鼻ッ先へは駈出して見たが、少し怖いから事に依ったら再び奥へ遁込にげこもうと云うので
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「この辺には、あまり商人家あきんどやもないようなのに、その荷元の家というのは、一体どの辺なんですえ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乙「先刻さっき羽根田の商人家あきんどやめえで笛を吹いてた乞食だ、生意気な此の野郎殴れ」