唐泊からどまり)” の例文
川尻かわじりが近づいたと聞いた時に船中の人ははじめてほっとした。例の船子かこは「唐泊からどまりより川尻押すほどは」とうたっていた。荒々しい彼らの声も身にんだ。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
新羅しらぎに遣はさるる使人等の一行は、ここ志賀の浦波に照りかへす月光を看て、遠くも来にける懐郷の涙をしぼり、志摩郡の唐泊からどまりより引津泊ひくつどまりに移り、可也かやの山べに小男鹿さをしかの声の呦々えう/\たるを聴き
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)