周知しゅうち)” の例文
いま、勝家かついえ秀吉ひでよしの仲、日ごとに険悪けんあくとなりつつあることは天下の周知しゅうち。さだめし、秀吉が目をほそくしてよろこぶだろうと思うと、呂宋兵衛るそんべえがしゃべっているまに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早い話が、ある貴族的な集会所でオブシーン・ピクチュアの活動写真をやったなんてことは、世間周知しゅうちの事実だが、あれを考えて見給みたまえ。あれなんか、都会の暗黒面の一片鱗へんりんに過ぎないのだよ。
覆面の舞踏者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
猿に似ていることは周知しゅうちであり、自分でもよく知っている自分の顔であった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)