呑竜どんりゅう)” の例文
御承知の上州太田の呑竜どんりゅう様、あすこにある金山かなやまというところが昔は幕府へ松茸を献上する場所になっていました。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
音に聞く太田の呑竜どんりゅうさまへお詣りしました。門前町には茶屋、旅籠が軒を並べ、客をひくおんなの声はひなびております。広い境内けいだいはいま人が出盛りで、人むれの多くは鐘楼の方へかれてゆく様子です。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
例の筆法で帰途の日記も詳しく書いてあるが、その日は太田の駅に着いて、呑竜どんりゅう上人の新田寺に参詣、はせを屋に一泊。十一日は足利に着いて、原田与左衛門方に一泊。
寄席と芝居と (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)