含笑ほほえ)” の例文
其歌と云ったら、意味のある様なないようなものだが、如何にも美しい声で節面白う歌うので、聞く者は皆含笑ほほえむ。また如何にも奇妙なことをいう。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ラシイヌは宮相の言葉を聞くと、何が無しにニヤリと含笑ほほえんだ。それからじっと考え込んだ。
闘牛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先刻さっきの物音は、かしの枝を滑り落ちた雪のおとだったのだ。余は含笑ほほえみつゝまた眠った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)