吝嗇家しみつたれ)” の例文
おまけに名高い吝嗇家しみつたれだつた作松は、仲々それに應じなかつたが、一月許り經つと、打つて變つた熱心な信者になつて、朝夕佛壇の前でげた修證義が
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
さういふ吝嗇家しみつたれがこの世に今一人住んでゐるといふ事は、ホプキンスに取つて生き甲斐がある事に相違なかつた。ホプキンスは態々わざ/\ガイを訪ねてみようと思つた。
おまけに名高い吝嗇家しみつたれだつた作松は、仲々それに応じなかつたが、一月許り経つと、打つて変つた熱心な信者になつて、朝夕仏壇の前でげた修証義しうしようぎ
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
恐ろしい吝嗇家しみつたれで、金を蓄める為めには、どんな苦しい思ひをするのもいとはなかつた。
『田宮の吝嗇家しみつたれだもの、一銭だつて余計に金のかかる事をするもんですか。屹度昨日あたり、裏の山から生徒に栗を拾はして置いたんでせうさ。まあ御覧なさい、屹度当るから。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ホプキンスは英吉利中で自分程倹約しまつな者は無からうと思つて、それをたつた一つの自慢にしてゐたが、他人ひとの噂に聞くと、トオマス・ガイといふ男は、自分にも劣らない程の吝嗇家しみつたれらしかつた。