君辺くんぺん)” の例文
「なに、妻女が急病だと。それはいかんな。君辺くんぺんはさしつかえない。すぐ戻ってみてやるがいい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事態、よんどころなく、君辺くんぺんへも無断で、尊氏が都を立ち離れましてからわずか一年余でしかございません。……変りはてたこの皇居のさま。わけてもおんやつれのはなはだしさ。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしながら、綸旨りんじを拝して、将卒共に、勇気百倍いたしました。きっと一日も早くせ上りまする。そして天下の逆賊をはらい、君辺くんぺんの害を清めて、昭々しょうしょう御代みよを恢復せずにはおきません。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)