同行二人どうぎょうににん)” の例文
着慣れませぬ新らしい笈摺を引掛ひきかけ、雪卸ゆきおろしのすげの笠には同行二人どうぎょうににんと書き、白の脚半に甲掛草鞋こうがけわらじという姿で、慣れた大工町を出立致しまする。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もし彼らを失ったら、永きこの世の旅に誰か堪え得るであろう。遍路のつえには「同行二人どうぎょうににん」と記してあるが、工藝をかかる旅の同行と云い得ないであろうか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
余はそれに同行二人どうぎょうににん、行雲、流水と書き添えて、まず軽井沢まで汽車に乗り、そこから仲山道、木曾路と徒歩旅行を試み、美濃の山中で物好きに野宿などをし
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「知らない。——このくらいな絵は学校で習います。同行二人どうぎょうににん——あとは、あなた書いて下さいな。」
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
足をわぬ様に何うか五足こしらえて呉れえとか、すげの笠を買うて来て、法達ほうたつに頼んで同行二人どうぎょうににんと書いて呉れえとか、それから白の脚半きゃはんも拵え笈摺おいずるも拵えたから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もし彼らを失ったら、永きこの世の旅に、誰か堪え得るであろう。遍路へんろの杖には「同行二人どうぎょうににん」と記してあるが、工藝をかかる旅の同行といい得ないであろうか。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
しようというのですが、どうかすると、神社仏閣、同行二人どうぎょうににんの形になりかねませんよ。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)