吊下つりさが)” の例文
吃りの漁夫と学生が、機関室の縄梯子なわばしごのようなタラップを下りて行った。急いでいたし、慣れていないので、何度も足をすべらして、危く、手で吊下つりさがった。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
するといつか天井からは、火をともした瑠璃燈るりとうが一つ、彼女の真上に吊下つりさがっていた。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
春風のなかに鐘はしづかに吊下つりさがつてあつたのです。
鳥右ヱ門諸国をめぐる (新字旧仮名) / 新美南吉(著)