合薬ごうやく)” の例文
火薬を爆発させてらいと見せるには、どうしても数十斤を要する。殊に合薬ごうやくとして硫黄いおうを用いなければならない。今は暑中で爆竹などを放つ時節でないから、硫黄のたぐいを買う人間は極めてすくない。
仔細に杉の木を調べたが「ははあそうか、小幡流こわたりゅうの、兵法にのっとった間道づくり、大木の髄をなかばり抜き、合薬ごうやくを塗って腐蝕を防ぎ、生木のままで道をつくる。うむ、この下には地下室があるな!」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)