可哀想かはいさう)” の例文
構はない、苦学するんだ、なぞと申します。しまひには弟は癇癪かんしやくを起して、往来で泣き出しますし、私も心配やら可哀想かはいさうやらで、それに釣り込まれてしまひまして……
姉弟と新聞配達 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
可哀想かはいさうに玉ちやんまで殺されたぢやないか——とか、いろ/\からみつくと、金之助の野郎——錢形の親分が來てゐるのに、まだ下手人もわからないのは、間拔けな話ぢやないか——とやりましたぜ
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
可哀想かはいさうになあ‥‥」
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
可哀想かはいさうなら
極楽とんぼ (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「君はあの家の、引越したあとのハイカラ建築を知るまい?……何故なぜあんなに落着いた日本館を売つてしまつたんだらう。あれあ確かに常子夫人の趣味だな。可哀想かはいさうなのは鶴子さんさ」
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
墓のなかに画才は持つて行かれない! 可哀想かはいさうに。まるで傀儡くわいらいのやうなものだ
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
『あなたひとりではなほりませんわ。可哀想かはいさうなアンドレ。』
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)