可哀想かあいそう)” の例文
「それに、此間から変な眼で見られたり、今朝なんかは、縛られかけたりして、本当に気の毒でした、お夏さんはそんな人じゃございませんよ、可哀想かあいそうに」
道夫も此頃このごろ受験準備で、可哀想かあいそうな位つかれているね。すぐ寝かしてやったとは、お前にしちゃ大出来おおできだ。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
文豪ぶんごうジョンソンが若い時非常の貧苦を経た結果、位置が出来ても、物を食えばひたいふとすじあらわれ、あせを流し、犬の如くむしゃ/\喰うた、と云う逸話を思いうかべて、甚可哀想かあいそうになった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
体外の機械は段々進歩して軽便精巧な物が出来るけれども胃と腸とは古往今来いつでも同じ道具で働いている。可哀想かあいそうなものさ。体外の裏漉や擂鉢で筋を取ればその手数は料理する人一人だけで済む。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「艇長さん、それは可哀想かあいそうだなア。……じゃいいから、僕の食物を、この佐々さっさのおじさんと半分ずつ食べるということにするから、このままにしてあげてよね、いいでしょう」
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「死んで安心な様な、可哀想かあいそうな様な気もちがしますよ」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
... 少しお可哀想かあいそうのようですね」主人
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
病人こそ可哀想かあいそうでありませんか。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)