古昔いにしへ)” の例文
恁う言ひ乍ら、渠はその目を移して西山のいただきを見、また、凹地くぼちの底の村を瞰下した。古昔いにしへの尊き使徒が異教人の国を望んだ時の心地だ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
古昔いにしへの預言者は近世ちかごろに望むべからず、近世きんせいの預言者は文字の人なりと言へる、己れみづから一預言者なるカアライルの言を信ずることを得ば
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)