叡旨えいし)” の例文
このたび進発の勅命をこうむったのは、一方に諸国の情実を問い、万民塗炭の苦しみを救わせられたき叡旨えいしであるぞと触れ出されたのもあの時であった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
このようにして、『新古今集』風体の決定は後鳥羽院の叡旨えいしに出たものであったことが判るのである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
このたび進発の勅命をこうむったのは、一方に諸国の情実を問い、万民塗炭の苦しみを救わせられたき叡旨えいしであるぞ、と触れ出されたのもこの際である。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さて、総督一行が来た。諸国の情実を問い、万民塗炭の苦しみを救わせられたいとの叡旨えいしをもたらして来た。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ついてはつつしんで叡旨えいしを奉じ豊後伊豆両人の登城は差し止めるがいい、それを言って将軍が奥へはいった時は、すすり泣く諸臣の声がそこにもここにも起こった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
総督一行は万民塗炭の苦しみを救わせられたいとの叡旨えいしをもたらして来たからである。だれ一人ひとり、そのおりに百姓の中から進んで来るものもなくて、今になってこんな手段に訴えるとは。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)